2021年04月05日

4月5日の例会 「四季の唄(春は嬉しや)」

今日の例会で配った楽譜(数字譜)は端唄の「四季の唄(春は嬉しや)」です。端唄というのは三味線を弾きながら歌う御座敷唄の小ジャンルの一つです。この歌は韻を踏んだり掛詞を駆使したりしてなかなか楽しいです。動画投稿サイトで「端唄 春は嬉しや」で検索するといろいろな人の歌を聴くことができます。美空ひばりもカバーしています。歌う人によって歌詞も節回しも微妙に変化しています。今日配ったのは歌詞は『歌は時代とともに 明治・大正・昭和20年まで』(野ばら社)所収のものから引き写しました。曲のほうは野ばら社の本に載っている楽譜(五線譜)は跳ねるリズムや拍子の表記が納得できなくて自分なりに作ってみましたがまだまだ修正する余地はあるので取り敢えずの暫定版と思ってください。ちなみに作詞の不知山人というのは添田唖蝉坊の別名で著作権保護期間は終了しています。
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四季の唄(春は嬉しや)

春は嬉しや二人揃って花見の酒
庭の桜に朧月
それを邪魔する雨と風
ちょいと咲かせてまた散らす

夏は嬉しや二人揃って鳴海の浴衣
団扇片手に橋の上
雲が悋気して月隠す
ちょいと蛍が身を焦がす

秋は嬉しや二人並んで月見の窓
いろいろ話を菊の花
しかと分からぬ主の胸
ちょいと私は気を紅葉

冬は嬉しや二人向かって雪見の酒
苦労知らずの銀世界
話も積もれば雪も積む
ちょいと溶けます炬燵中


検索でこのページに飛んできてトンコリの数字譜が何のことだか分からない人のために基本的なことを簡単に説明すると、トンコリというのは5本の弦を常に開放弦で弾いて鳴らす楽器で、楽器を奏者の前に置いた状態で5本の弦の左手から右手に向かって第1弦、第2弦、第3弦、第4弦、第5弦と呼び、これを音の低いほうから高いほうに向かって並べ換えると第5弦(ミ)、第2弦(ソ)、第4弦(ラ)、第1弦(ド)、第3弦(レ)のペンタトニックになります(括弧内は音階名)。第4弦は右隣にあって完全4度下の第5弦を、第1弦は同じく右隣にあって完全4度下の第2弦を、第3弦も同じく右隣にあって完全4度下の第4弦を同時に弾くと豊かで美しい響きが生まれます。こう書くと複雑そうですが結局使う音は(この編曲のやり方では)5、2、4-5、1-2、3-4の5種類しかなく、2弦を同時に弾く場合その2弦は必ず隣り合っていてしかも右利きの人が演奏しやすい場所に配置されています。トンコリは極めて合理的かつ機能的に設計されていると言えるのです。トンコリの音階の構造については下記のページにまとめましたので参照してください。
◆「トンコリの音階」(田中敬三の日記)
http://saibai.cocolog-nifty.com/blog/2020/10/post-2d348c.html

数字で音楽を表記することは古くから行われています。一例を挙げておきます。この画像は『最新流行大正琴独習』という大正6年に発行された大正琴のための教本からです。
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posted by NOTO at 16:37| Comment(0) | トンコリ | 更新情報をチェックする
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